夫婦

我々が体内に栄養素を吸収するためには、食物を消化液で分解する必要があります。また、栄養素の吸収による血糖値の乱れを抑制するためには、インスリンの分泌は必須です。この重要な役割を担ってくれる臓器こそ、すい臓なのです。

すい臓がんの基礎知識

すい臓がんの特徴

すい臓がんとはその名の通り、すい臓で発生したがんのことを言います。悪性の腫瘍でもあり、進行が他のがんと比べて早いと言われています。
すい臓は大きく膵頭部、膵体部、膵尾部の3つに分けることができるのですが、この中で最もがんを発症しやすい部分が膵頭部となっており、腫瘍の約60%は膵頭部で見つかっています。また、このがんはすい臓内部を通る膵管にも腫瘍が発症するという特徴をもっています。
実質、すい臓がんの約95%がこの膵管での発症となっています。すい臓は腹部の奥にあるため異常を見つけることが難しく、発見した時には既に手の施しようがない状態になっていることも珍しくないのです。

すい臓の場所はどこ?

臓器

すい臓は胃の裏側にあり、他の臓器と比べると小さいサイズとなっています。
体のみぞおち辺りから少し上の部分に存在しており、淡い黄色の臓器でトウモロコシのような形をしています。
個人差はありますが、重さは120g程度で長さは15cm~20cm程となっています。
すい臓の中でも太い部分の膵頭部は十二指腸と接していて、細い部分の膵尾部は脾臓と接しています。
全体的に薄く小さいため、他の臓器の影に隠れてしまいます。

ホルモン分泌などに欠かせない!

消化酵素やホルモンを分泌するのが、すい臓の主な役割となっています。
すい臓には腺房と呼ばれている、ぶどうの粒に似た組織が表面に集まっています。
この粒状の腺房こそが、膵酵素を作っているのです。膵酵素が元となり、膵液へと変化していきます。
導管を伝って十二指腸へと流れ込むと、炭水化物やタンパク質、脂質を分解していきます。
すい臓の働きはこれだけではなく、血糖値を調整するホルモンのインスリンやグルカゴンを分泌します。
小さな臓器がこれだけの働きを行なっていることは、あまり知られていませんが非常に重要な役割を担っていることがわかります。

「がんの王様」すい臓がんの恐ろしさ

驚く男性

臓器別がんの死因第4位となっているすい臓がんは、早期発見が難しく術後の生存率が低いという特徴があります。
また、年々すい臓がん患者は増えており、その手強さから、「がんの王様」とまで呼ばれるようになっています。

なぜ、がんの王様と呼ばれているのか?

医療が進歩した現代では、がんの完治や術後の生存率も向上しています。しかし、すい臓がんにおいては術後の生存率が低く、早期発見も未だに課題となっています。
その原因となっているのが、すい臓の大きさや働きにあります。他の臓器と比べて小さなすい臓ですが、活発に動く消化器官のため細胞が元気です。
そのため、がん細胞の広がりも通常より早くなります。また、がんを発症しても目立った症状が現れないので発見が遅れてしまうのです。

通常、がん細胞は正常な細胞と明確に見分けることができるのですが、すい臓がんの場合は両者が混ざり合った状態で存在しているので、
外科手術で全摘出を行ない再発を防ぐ方法がとられています。ですが、全摘出するとインシュリンの分泌もできなくなるので、
その後インシュリンの投与を受け続けないといけなくなります。

死亡率は第4位!

円グラフ

前述のとおり、近年すい臓がんの発症は増加傾向にあり、それに伴って死亡率も増えています。
2013年の臓器別がん死亡率では、すい臓がんは4位となっています。
すい臓がんの死亡率が上位となっている原因は、やはり発見の遅れや臓器の位置だと考えられます。
また、初期段階では自覚症状もほとんど現れないため、発見した時は進行が進んでしまっている状態になっているのです。
ですが、検査技術も日々進化しており、がんの発見につながる情報を多く得ることができるようになりました。
超音波検査や内視鏡検査の精度も上がり、CTやMRIの画像も鮮明になっているので早期発見や治療が行なえるケースが増えてきました。

再発・転移について

すい臓がんは外科手術によって、がん細胞を切除することはできますが前述のとおり、正常な細胞とがん細胞を明確に見極めることが難しく、 手術でがん細胞を切除したとしても、再発や転移が起こるリスクが高いという特徴があります。 再発や転移が起こることもあります。再発が確認された場合は、外科手術での対応が難しいケースが多く抗がん剤による治療がメインとなります。 すい臓がんは術後の予後が良いとは言えず、5年生存率に至っては他のがんに比べても平均より下回っています。ですから、こまめに定期健診を受けて早期発見できるように努めましょう。 また、すい臓がんの原因になる病気や生活習慣のある人や、家族の中にすい臓がんを発症した人がいる場合は注意しましょう。